スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫 だいわ文庫) [ ケリー マクゴニガル ]
継続できない、いつも3日坊主で終わってしまう。
それは自分の性格が根性なしだから、意志が弱いから、そんな風に思っていませんか。
それ本当でしょうか?
そんなお悩みを解決する今回のおすすめ本は、こちら「スタンフォード大学の自分を変える教室」です!!
概要
この本は、著者であるケリー・マクゴニガル先生が大学の講義として、行っていた「意志力の科学」の内容をまとめています。
どうすれば人間の悪習慣をやめ、健康的な行動習慣を身に着けていくことができるか。
その問題に対して、心理学、経済学、神経科学、医学の分野から、最新の研究を元に、原因と対策を提案していきます。
この本を読むことで意志の力の限界や、継続できない行動の失敗パターンを学び、どう自分をコントロールすれば、上手く継続していけるかが分かります。
感想
人は意志力を使っているうちに「使い果たしてしまう」
スタンフォードの自分を変える教室
この本では自分を律してコントロールする力、意志力について紹介しています。
そしてその意志力は上限が人それぞれ決まっており使い果たせば、意志が弱くなることが研究で明らかになったと記されています。
これを読んだ時、多くの人が意志の弱さを性格のせいだと思っている考えは間違っていたのだと思いました。
意志が弱いのは性格のせいではなく、意志力を使い切ってしまっている状況のせいなのだと!!
もしそうなのなら、意志を貫けない人が気持ちで頑張るというアプローチには、無理があります。
意志を貫くには、モチベーションを上げ、気持ちを強く持つことで対抗するのではなく、意志が貫けない状況や環境に目を向け対策するのがいいのではないでしょうか。
行動経済学者のハワード・ラクリンは、行動を変えることを明日に延ばすのを防ぐためのおもしろい仕掛けを提唱しています。ある行動を変えたい場合、その行動じたいを変えるのではなく、日によってばらつきが出ないように注意するのです。
ラクリンによればタバコを吸うなら「毎日同じ本数」を吸うように喫煙者に指示すると、タバコの量を減らせとは言われていないにもかかわらず、なぜか喫煙量が減っていくといいます。スタンフォードの自分を変える教室
この考えは、行動習慣を変える上で2点、良いポイントがあると思いました。
1点目は、今日の行動がこの先続くと、考えた時悪習慣が今後自分に及ぼす影響(タバコなら、喫煙量が多い状態を続けて健康が害される等)を考えることです。
2点目は、その行動習慣事態をいきなりなくすわけではないので、継続していくことに対する精神的ハードルを下げることができます。
この結果を読んだ時、僕が今までパーソナルトレーナーとして見てきた方たちの、意志が折れてしまう時の失敗パターンに当てはまると感じました。
ダイエット等で途中意志が折れて暴飲暴食等に走ってしまう方の多くの人に当てはまる特徴があります。
それは毎日同じ行動をしない事!!
行動にムラがあることが多いです。頑張っている時は極端に完璧を目指します。緊張の糸が切れた時、せっかく身に着けた行動習慣すべてを完全にやめてしまうような行動に出る時もあります。
ラクリンのアドバイスはこのムラに対する対抗策の一つになりそうです。
皮肉なリバウンド効果
スタンフォードの自分を変える教室
「皮肉なリバウンド効果」、トリニティ大学の心理学研究でダニエル・ウェグナーが名付けました。この研究は「シロクマ」と考えないように指示されると返って頭から、離れなくなるという研究でした。
この研究により、人は考えないようにしたことほど、頭で考えてしまう事が分かりました。
この研究結果を見ると、ダイエット等の時に食べ物のことなどを考えないように我慢すると、逆に頭から離れなくなって、結局食べてしまうといった行動が理解できます。
その効果を踏まえるとダイエットや、何か誘惑から逃れる時の対策として、我慢して考えないようにするのは、逆効果になりそうです。
我慢するよりも、他の事を考えるように、頭を切り替えていくほうが効果的です!!
まとめ
この本は最新の研究結果により、習慣化できない人の失敗パターンを紐解き、それに対する対策を提唱しています。
意志を貫けないのは、自分の性格のせいではありません。
人はみな意志を貫けない特性を持っています。
それを理解した上で、その特性をコントロールできる状況や環境を整えていく、対策を練っていく。
それが意志の強いと言われる人に近づく一歩ではないでしょうか。
是非この本を読んで、今度こそ自分の習慣を変えてみてください。